24時間換気とCO2濃度との関係を風量で比較
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24時間換気とCO2濃度との関係を風量で比較

自前のシミュレーターで、換気風量とCO2濃度の関係をシミュレートしてみた。


以下のグラフは一般的な120㎡(36坪)の住宅でのシミュレーション結果である。換気風量は120m3/hとし、おおむね0.5回の換気回数となる。滞在者数は3人家族の平日を想定している。


CO2濃度は環境工学では1000ppmを下回るように設計することが推奨されているのだが、800〜900ppmで推移していて、良好な環境が保たれている。


共通条件として、夫が8時から出社し19時までは妻と子供の2人だけ、8時から2時間は妻が室内で家事を行う設定である。



次に、換気風量を90m3/hまで落とした場合のシミュレーション結果を示す。


夫が帰宅した時点が最低の816ppmで、明け方に向けて緩やかに上昇し、7時頃に994ppmで安定する。その後、妻と子供の2人になるが、家事作業を行うことでCO2濃度は上昇し2hの作業で1089ppmまで上昇する。


90m3/hという風量は、1人あたり30m3/hであり、環境工学で推奨する風量に合致する。室内で運動しない限り、CO2濃度が1000ppmを超えることはない。



最後に、換気風量を60m3/hまで落とした場合のシミュレーション結果を示す。


ピーク時のCO2濃度は1388ppmに達するが、平均すると1200ppm程度であり、さほど問題にならないCO2濃度で推移している。



結論として、この3つのシミュレーションで言えることは、3人家族であれば換気回数を0.3回程度に落としても特に支障は無いと言うことである。 ただし、建築基準法施行令第20条の8には、お節介にも0.5回以上の24h換気設備の設置が義務づけられていて、我々建築士はそれを守る必要がある。


ちまたには、電動ファンを用いないパッシブ換気や、CO2濃度で風量を変えるデマンド換気なども存在するが、この法文が存在する限り、24h換気扇による0.5回の換気が必須である。罰則は・・・。

個人的には、育ち盛りの子供がいる家庭や、受験生のいる家庭では0.5回程度の換気回数を確保した方が良いと考えています。


少し運動すればCO2濃度はすぐに上がることも分かってますし、一度上がった濃度はなかなか下がりにくい


子供から集中力が続かないのは家の換気が悪いから、なんて言い訳されたくないですしね。いや、そんな風に言い訳できる子は十分に賢いか?

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