家庭用エアコンの耐用年数は10年といわれていますが、一日8h利用が前提(ダイキンさん情報)になっています。エアコンの24h運転は耐用年数を1/3にしてしまう可能性があるため、メンテナンス(エアコンの取替)を意識した設計が求められる。機械室を設けるなど、プラン時点からその配慮が必要です。
パッシブハウスは結露が起きない設計であるため、カビが生えにくい建物と言えますが、エアコン内部においてはそうとも言えません。
カビの生える条件について考えて見ましょう。カビが生える3条件として、温度・湿度・通風(=換気)があります。この中でも通風に注目してください。通風が常にされていれば、カビの胞子やカビの栄養が滞留しなくなります。通風を常に確保することがカビの発生抑制に有効なのです。
エアコンの話に戻りましょう、熱交換器と直結したエアコンシステムの場合、24h換気を止めることはありませんから、必然的にエアコン内部には常に通風が確保された状態になります。このことが重要なのです。壁掛けエアコンでは得られないメリットが熱交換器直結形エアコンにはあるのです。
エアコンが室内に供給できるエネルギーは、室内空気と吹出口の温湿度差で決まります。定格能力を上げれば風量に関係なく無制限に冷暖できるわけではありません。実際には、エアコンは室内の空気を循環させ、その通過する空気を冷やしたり温めたりして室温を調整します。したがって風量を抑えると、吹き出す空気の温度を極端に下げたり上げたりするには限界があり、ある程度で頭打ちになります。つまり、冷やすことにも暖めることにもそれぞれ限界があるということです。
OA・EAのダクト内の空気は外気とほぼ同じです。したがってダクトは建物の“熱的境界(外皮)”として扱うべきで、表面積が小さいほど、また断熱性能が高いほど、熱損失・熱取得を抑えてエネルギーロ スを小さくできます。
要点:初年度は特に湿気が多い。無換気は危険、床ガラリ+RAで基準空気による希釈と除湿を確保する。
コンクリートスラブは打設後、時間の経過とともに乾燥して水分を放出します。スラブ厚150 mmを想定すると、1年目の放湿量は約5 kg/m²(累積の約40〜45%)、3年間で約70〜80%まで進み、6年程度で準平衡に至ります。
床面積60 m²の基礎なら年間約300 kg、時間あたり約34 g/hの放湿です。換気量100 m³/hであれば、空気1 m³あたり約0.34 gの水分負荷(乾燥空気基準で約0.28 g/kg(DA))に相当します。
一方、換気や空気の移動がない場合、前提の放湿量(約34 g/h)は24時間で約816 gに達します。床下空間を20 m³とすると、1日あたり約40 g/m³の水蒸気が供給され、これは20℃の飽和水蒸気量(約17 g/m³)を大きく上回るため、短時間で飽和に達して結露が発生します。滴下やカビ・腐食、木部や断熱材の含水率上昇を招くため、初年度は特に高リスクです。
対策として、床ガラリで室内から床下へ常時通気し、床下にRA(還気)を設けて熱交換器へ戻す構成にすれば、床下の水蒸気は室内側の基準空気(例:27℃・60%RH)で希釈されつつ、熱交換器で熱と(全熱型なら)水蒸気の一部が排気側へ移動します。30 m³/hの連続通風でも床下の絶対湿度上昇は概ね1 g/kg(DA) 程度に抑えられ、結露リスク低減に有効です。
なお、通風がない状態で床ガラリだけに湿度移動を任せるのは不十分です。拡散のみで放湿に追いつくには、条件次第で有効開口1 m²以上が必要となる場合があり、現実的ではありません。床下にRAを設け、30〜60 m³/hの機械通風を確保する設計を基本としてください。
サイクロンフードは、メーカーの適用風量範囲と必要外圧の両方に注意が必要です。φ150対応品は適用下限が100 m³/h以上のものが多く、φ100にすると下限が60 m³/h程度まで下がる場合がありますが、その分系統圧損が増大し、実風量が出にくい・騒音が増える等のリスクが生じます。ダクト長/曲がり/防虫網などを含めた総圧損を見積もり、ファンのP–Q曲線上で設計点を満たせるか必ず確認してください。
外周部にある小さな書斎は、室内空気の循環だけでは快適維持が難しくなりがちです。パッシブハウス相当として西面外壁の熱取得を10 W/m²と仮定すると、窓のない書斎で外壁4 m²は約40 W、機器が約20 W、人体が約60 Wで、少なく見積もっても合計120 Wの熱負荷がかかります。
隣室が25℃で、書斎へ150 m³/h程度の循環をかけても、書斎内はおよそ2.3℃高くなり、約27〜27.5℃にとどまります。隣室が26℃だと28℃オーバーになります。つまり、循環ファンだけでは十分に快適化しにくいと言えます。
扉を引戸にして出入口を常時開放にしておくなど、何かしらの対策が必要です。
ダクトレス(室内循環)レンジフードは、外へ排気せずにフィルターで油煙やにおいを除去し、処理した空気を室内へ戻す方式です。外気を取り込まないため暖冷房ロスが小さく、ダクト配管の制約が減るぶんキッチンのレイアウト自由度が高いのが特長です。対象はIHクッキングヒーターのみで、ガス火は燃焼排ガスを室内に戻せないため非対応となります。また、脱臭・除油は可能ですが水蒸気やCO₂は除去できないため、住戸の換気設備と併用することが前提です。とくに高断熱住宅で外気導入による熱損失を抑えたい場合に有効です。
南側の部屋では日射取得を行うことが多い。そこが個室になっていると、他の空間に熱の分配が難しくなってくる。循環風量をある程度確保しないと、オーバーヒートしがちである。平面プランと空調計画は密に影響し合っています。
断熱と気密性能の高いパッシブハウスでは吹抜においても上下の温度差は極めて小さい。一方でその断熱性ゆえにエアコンは6畳用の2.4kWタイプ1台でまかなえてしまう。空調された空気を建物全体に行き渡らせるのに吹抜は有効な手段である。
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PHPP(PHの計算ソフト)ではその検討がスルーされているが、結露を防ぐために重要なポイントである。
居室の換気設計で重視すべき指標を整理。
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自社開発ツール
部位別詳細の断面表現とU値計算、PDF出力が可能です。 こちら
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二次部材とは、間柱や垂木などが代表する主たる構造部以外の部分。
圧損と露点管理の両立が目的。