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1 意匠

2 法規

2.1 書類

2.1.1 構造計算安全証明書

許容応力度計算をした際に施主に対して発行する書類

3 環境設計&建築設備

3.1 熱源機&エアコン

3.1.1 エアコンの寿命の話

家庭用エアコンの耐用年数は10年といわれていますが、一日8h利用が前提(ダイキンさん情報)になっています。エアコンの24h運転は耐用年数を1/3にしてしまう可能性があるため、メンテナンス(エアコンの取替)を意識した設計が求められる。機械室を設けるなど、プラン時点からその配慮が必要です。

3.1.2 エアコンのカビ対策

パッシブハウスは結露が起きない設計であるため、カビが生えにくい建物と言えますが、エアコン内部においてはそうとも言えません。カビの生える条件について考えて見ましょう。
カビが生える3条件として、温度・湿度・通風(=換気)があります。この中でも通風に注目してください。通風が常にされていれば、カビの胞子やカビの栄養が滞留しなくなります。通風を常に確保することがカビの発生抑制に有効なのです。
エアコンの話に戻りましょう、熱交換器と直結したエアコンシステムの場合、24h換気を止めることはありませんから、必然的にエアコン内部には常に通風が確保された状態になります。このことが重要なのです。壁掛けエアコンでは得られないメリットが熱交換器直結形エアコンにはあるのです。

3.1.3 室内と吹出口の温湿度からエアコンが供給するエネルギーが決まる

エアコンが室内に供給できるエネルギーは、室内空気と吹出口の温湿度差で決まります。定格能力を上げれば風量に関係なく無制限に冷暖できるわけではありません。実際には、エアコンは室内の空気を循環させ、その通過する空気を冷やしたり温めたりして室温を調整します。したがって風量を抑えると、吹き出す空気の温度を極端に下げたり上げたりするには限界があり、ある程度で頭打ちになります。つまり、冷やすことにも暖めることにもそれぞれ限界があるということです。

3.1.4 エアコンの方式

エアコンと換気システムの関係は、大きく3つの方式に分類できます。理解しやすいように、ここでは【薪釜型】【スーパー銭湯型】【源泉掛け流し型】の3種類に例えます。

【薪釜型】エアコンと還気系統が完全に分離されたタイプです。システムの自由度は高い一方、還気系統からの給気が直接室内に供給されるため、給気口(SA)付近が不快になりやすく、またエアコンはサーモオフしやすい傾向があります。空気を水に置き換えると、「水をためて薪釜でお湯を沸かす」方式に似ています。
【スーパー銭湯型】ダクト接続型エアコンの還気系統に、熱交換器からの給気(SA)を合流させるタイプです。外気が直接エアコンに送られるため、サーモオフしにくく室温が安定しやすいのが特徴です。また、室内循環風量のコントロールもしやすいシステムです。空気を水に置き換えると、大量循環湯量を確保しているスーパー銭湯の浴槽のようなイメージです。

【源泉掛け流し型】ダクト接続型エアコンに、熱交換器からの給気(SA)のみを供給する方式で、いわゆる外気処理エアコンです。室内還気を循環させないため風量を大きくしにくく、風量の制約により暖冷房能力が頭打ちになり、能力不足になることがあります。空気を水に置き換えると、源泉掛け流しの温泉に例えられます。寒い冬にお湯の温度を上げようとしても、湯量と湯温には限界があり、結果的に浴槽サイズが制約される状況に近いといえます。

中部地区では、夏季の冷房負荷は外気処理のみではまかないきれないため、【スーパー銭湯型】が最も合理的な選択と考えられます。

3.1.5 全館空調のススメ

3.1.5.1 一般向け

部分的にしか空調しない家では、冷房された部屋の空気が廊下や収納、使っていない部屋に流れ込み、見えないところで湿気の問題が起こることがあります。たとえば、空調している部屋が24℃・湿度60%くらいでも、その空気が空調していない部屋に流れ込むと、壁や天井、収納の中などの少し冷えた面で結露することがあります。結露というと窓の水滴を思い浮かべがちですが、実際には家具の裏や収納の隅など、気づきにくい場所で起こることも少なくありません。こうした湿った状態が続くと、やがてカビの原因になります。つまり、普段いる部屋が快適でも、空調していない場所で家に負担がかかっていることがあるのです。全館空調の良さは、家じゅうどこでも快適に過ごしやすいことだけではありません。家全体の温度や湿度の差を小さくして、結露やカビの起こりにくい環境をつくりやすいことも、大きなメリットです。快適さのためだけでなく、家を長持ちさせ、清潔に保つためにも、全館空調はとても合理的な考え方だといえます。

3.1.5.2 エンジニア向け

部分空調では、空調室と非空調室のあいだに温度差・表面温度差・湿度分布の偏りが生じやすくなります。問題は、空調室の空気条件そのものではなく、その空気が非空調空間へ移動したときの露点と表面温度の関係です。たとえば、空調室が24℃・60%RHであれば、空気は一定量の水蒸気を含んでいます。この空気が廊下、収納、北側居室、納戸などの非空調空間へ流入し、そこで接する面の表面温度が露点近傍またはそれ以下になると、表面結露が発生します。さらに結露に至らない場合でも、局所的に表面近傍湿度が高止まりすれば、カビ発生条件が成立しやすくなります。特に高断熱・高気密住宅では、室内外の負荷制御はしやすい一方で、室内側の空気分布が計画とずれた場合、湿気の滞留が局所化しやすい傾向があります。部分空調では、居室の快適性は確保できても、非空調室や境界部の温湿度管理が不十分になりやすく、結果として耐久性・衛生性の面でリスクを残します。全館空調の本質的な価値は、単なる全室快適化ではなく、建物全体を一つの空気環境として扱い、温度分布と湿度分布を平準化し、結露リスクを下げることにあります。もちろん、全館空調単独で解決するわけではなく、断熱・気密・換気・除湿・空気経路設計が前提です。それでも、部分空調に比べれば、非空調空間を生みにくく、表面結露・カビ・局所高湿度の予防に対して合理性が高いシステムといえます。

3.1.5.3 営業向け

全館空調は、「家じゅう快適だから」という理由だけでおすすめしているわけではありません。実はそれ以上に大切なのが、家の中に温度差と湿気の偏りをつくりにくいことです。部分空調では、リビングなど空調している部屋は快適でも、廊下・収納・使っていない部屋などは空調されません。すると、冷えた空気がそうした場所に流れ込み、見えないところで結露やカビの原因になることがあります。お客様は「リビングは快適だから大丈夫」と感じやすいのですが、実際には空調していない場所ほど湿気トラブルが起きやすいということがあります。結露は窓だけでなく、収納の中、家具の裏、北側の壁際など、ふだん目にしない場所でも起こります。全館空調なら、家全体をゆるやかに空調することで、部屋ごとの温度差や湿度差を小さくしやすくなります。その結果、快適性の向上だけでなく、結露やカビのリスク低減にもつながります。つまり全館空調は、ぜいたくな設備ではなく、住まいを快適にしながら、家そのものを守るための仕組みとして提案できるものです。

3.2 換気設備

3.2.1 OAとEAダクトは短くそして断熱は厚く

OA・EAのダクト内の空気は外気とほぼ同じです。したがってダクトは建物の“熱的境界(外皮)”として扱うべきで、表面積が小さいほど、また断熱性能が高いほど、熱損失・熱取得を抑えてエネルギーロスを小さくできます。

3.2.2 床下RAで床からの湿気を排出

要点:初年度は特に湿気が多い。無換気は危険、床ガラリ+RAで基準空気による希釈と除湿を確保する。

コンクリートスラブは打設後、時間の経過とともに乾燥して水分を放出します。スラブ厚150 mmを想定すると、1年目の放湿量は約5 kg/m²(累積の約40〜45%)、3年間で約70〜80%まで進み、6年程度で準平衡に至ります。
床面積60 m²の基礎なら年間約300 kg、時間あたり約34 g/hの放湿です。換気量100 m³/hであれば、空気1 m³あたり約0.34 gの水分負荷(乾燥空気基準で約0.28 g/kg(DA))に相当します。

一方、換気や空気の移動がない場合、前提の放湿量(約34 g/h)は24時間で約816 gに達します。床下空間を20 m³とすると、1日あたり約40 g/m³の水蒸気が供給され、これは20℃の飽和水蒸気量(約17 g/m³)を大きく上回るため、短時間で飽和に達して結露が発生します。滴下やカビ・腐食、木部や断熱材の含水率上昇を招くため、初年度は特に高リスクです。

対策として、床ガラリで室内から床下へ常時通気し、床下にRA(還気)を設けて熱交換器へ戻す構成にすれば、床下の水蒸気は室内側の基準空気(例:27℃・60%RH)で希釈されつつ、熱交換器で熱と(全熱型なら)水蒸気の一部が排気側へ移動します。30 m³/hの連続通風でも床下の絶対湿度上昇は概ね1 g/kg(DA) 程度に抑えられ、結露リスク低減に有効です。

なお、通風がない状態で床ガラリだけに湿度移動を任せるのは不十分です。拡散のみで放湿に追いつくには、条件次第で有効開口1 m²以上が必要となる場合があり、現実的ではありません。床下にRAを設け、30〜60 m³/hの機械通風を確保する設計を基本としてください。

3.2.3 サイクロンフードは風量と圧損に注意

サイクロンフードは、メーカーの適用風量範囲と必要外圧の両方に注意が必要です。φ150対応品は適用下限が100 m³/h以上のものが多く、φ100にすると下限が60 m³/h程度まで下がる場合がありますが、その分系統圧損が増大し、実風量が出にくい・騒音が増える等のリスクが生じます。ダクト長/曲がり/防虫網などを含めた総圧損を見積もり、ファンのP–Q曲線上で設計点を満たせるか必ず確認してください。

3.2.4 個室への循環ファン

外周部にある小さな書斎は、室内空気の循環だけでは快適維持が難しくなりがちです。パッシブハウス相当として西面外壁の熱取得を10 W/m²と仮定すると、窓のない書斎で外壁4 m²は約40 W、機器が約20 W、人体が約60 Wで、少なく見積もっても合計120 Wの熱負荷がかかります。
隣室が25℃で、書斎へ150 m³/h程度の循環をかけても、書斎内はおよそ2.3℃高くなり、約27〜27.5℃にとどまります。隣室が26℃だと28℃オーバーになります。つまり、循環ファンだけでは十分に快適化しにくいと言えます。
扉を引戸にして出入口を常時開放にしておくなど、何かしらの対策が必要です。

3.2.5 ダクトレスレンジフードの話

ダクトレス(室内循環)レンジフードは、外へ排気せずにフィルターで油煙やにおいを除去し、処理した空気を室内へ戻す方式です。外気を取り込まないため暖冷房ロスが小さく、ダクト配管の制約が減るぶんキッチンのレイアウト自由度が高いのが特長です。対象はIHクッキングヒーターのみで、ガス火は燃焼排ガスを室内に戻せないため非対応となります。また、脱臭・除油は可能ですが水蒸気やCO₂は除去できないため、住戸の換気設備と併用することが前提です。とくに高断熱住宅で外気導入による熱損失を抑えたい場合に有効です。

3.2.6 圧損計算

3.2.6.1 基本的な考え方

3.2.6.1.1 圧損計算とは何か

圧損計算とは、空気がダクトや吹出口、フード、フィルターなどを通過するときに失う圧力を見積もることです。送風機はこの圧力損失を乗り越えて風を送る必要があるため、計画時には各経路の圧損を把握しておくことが重要です。

3.2.6.1.2 圧損計算が必要な理由

換気設備や空調設備では、必要な風量を確保できるかどうかが性能に直結します。圧損を見ずに計画すると、実際には設計風量が出ない、騒音が大きい、端末で風量調整が効かないといった問題が起こります。

3.2.6.1.3 圧損は経路全体で見る

圧損はダクトだけで決まるのではなく、曲がり、分岐、フード、防虫網、フィルター、熱交換器、吹出口などを含めた経路全体で評価する必要があります。部分ごとの圧損を積み上げて、最終的に系統全体の必要静圧を求めます。

3.2.6.2 ルートの考え方

3.2.6.2.1 最も圧損の大きいルートを基準に考える

ダクト計画では、複数ある送風ルートのうち最も圧損が大きいルートが基準になります。このルートで必要風量が確保できるように設計し、それ以外のルートは絞りや調整でバランスを取ります。

3.2.6.2.2 末端開放時に圧損が釣り合うのが理想

講義で説明する考え方として、端末を開放した状態で各吹出口の圧損ができるだけ揃っている計画が理想です。初期状態でバランスが近ければ、調整量が少なく済み、騒音や無駄な抵抗も抑えやすくなります。

3.2.6.2.3 インデックスルートの考え方

一番不利な条件になる経路、すなわち最も圧損の大きいルートを基準経路として扱います。日本語では「最遠系統」「最不利ルート」「支配経路」などの言い方の方が通じやすい場合があります。

3.2.6.3 ダクトと局部抵抗

3.2.6.3.1 直管の圧損

直管部分の圧損は、風量、ダクト径、長さ、空気密度、摩擦係数などで決まります。風量が増えると圧損は急激に増えるため、細いダクトで無理に多くの風を流す計画は不利になります。

3.2.6.3.2 局部抵抗の影響

エルボ、T字分岐、レジューサー、吹出口、フードなどには局部抵抗があります。実際の設備では直管より局部抵抗の寄与が大きくなることも多く、曲がりや部材選定を軽視できません。

3.2.6.3.3 ζは一定とは限らない

局部抵抗係数ζは固定値のように扱われることがありますが、実際には流速域やレイノルズ数、部材形状、整流条件などで変化します。特に低圧損域や低風量域では、単純な定数扱いだけでは実態とずれることがあります。

3.2.6.4 風量と圧損の関係

3.2.6.4.1 圧損は風量の増加に対して急増する

一般に圧損は風量の二乗にほぼ比例して増加します。そのため、風量を2倍にすると圧損は概ね4倍に増えます。端末やフード、ダクト径の選定ではこの性質を必ず意識する必要があります。

3.2.6.4.2 低圧損域では調整が効きにくい

系統全体の圧損が小さすぎると、末端の絞りや調整機構による差圧確保が難しくなり、風量調整が不安定になることがあります。ある程度の端末差圧を見込んだ方が制御しやすくなる場合があります。

3.2.6.4.3 端末差圧の考え方

端末差圧を10Pa前後で考えるという方針は、調整性を確保する考え方として理解しやすいです。ただし、必要差圧の設定は端末の特性や騒音条件、調整機構の有無と合わせて判断する必要があります。

3.2.6.5 ファンと設計点

3.2.6.5.1 P-Q曲線で確認する

送風機は、静圧が高くなるほど風量が減る特性を持ちます。したがって、圧損計算で求めた必要静圧と必要風量が、ファンのP-Q曲線上で成立するかを必ず確認する必要があります。

3.2.6.5.2 最大静圧だけでは判断できない

カタログに記載された最大静圧だけを見ても、実際の運転点で必要風量が出るとは限りません。実務では、設計風量付近でどの程度の静圧を維持できるかを確認することが重要です。

3.2.6.5.3 ノッチ設定や運転モードも確認が必要

実機ではノッチ設定や運転モードによってP-Q特性が変化します。講義では、ファンの最大圧損だけでなく、ファン特性を見ながらノッチ設定を確認することが重要であると説明すると実務的です。

3.2.6.6 端末・吹出口

3.2.6.6.1 端末開放時の風量を基準に考える

吹出口や吸込口は、開放状態でどの程度の圧損と風量になるかを把握することが基本です。最初から強く絞る前提ではなく、開放時の素性を把握した上で必要な範囲だけ調整する考え方が望ましいです。

3.2.6.6.2 吹出口の必要差圧

端末によっては、ある程度の差圧がかからないと安定した吹出特性が出ません。逆に差圧が低すぎると、設計風量が得られても気流分布や拡散性能が不十分になることがあります。

3.2.6.6.3 国内の端末は圧損データが少ない

国内の防露型吹出口などでは、ζ値や圧損特性の公開情報が限られていることがあります。そのため、類似品のデータ参照や実測、保守的な仮定を置いた設計が必要になる場合があります。

3.2.6.7 フードと外装部材

3.2.6.7.1 サイクロンフードの注意点

サイクロンフードは適用風量範囲と必要外圧の両方を確認する必要があります。風量だけ見て選ぶと、実際には圧損が大きく、必要風量を確保できないことがあります。

3.2.6.7.2 防虫網や外壁フードも無視できない

外壁フード、防虫網、逆止弁などは小さな部材に見えても圧損への影響が大きいことがあります。短い系統ほど、こうした局部抵抗の比率が高くなります。

3.2.6.7.3 φ100化は有利とは限らない

φ150対応品からφ100系統へ変更すると適用下限風量の面では扱いやすくなる場合がありますが、その分ダクト側の圧損は増加します。風量、騒音、施工性を含めて総合判断が必要です。

3.2.6.8 換気と空調の関係

3.2.6.8.1 換気系統と空調系統は分けて考える

換気と空調では、求める役割が異なります。換気は必要外気量の確保、空調は熱の搬送が主目的であり、必要風量や圧損許容の考え方も異なります。

3.2.6.8.2 熱を運ぶには相応の風量が必要

室温と吹出温度の差が小さい場合、必要熱量を運ぶには大きな風量が必要になります。空調の風量設計では、圧損だけでなく熱搬送量とのバランスを見る必要があります。

3.2.6.8.3 エアコンと換気を2系統にする考え方

エアコン搬送用の風量と換気用の風量は規模が異なることが多く、1系統にまとめると設計自由度が下がる場合があります。目的ごとに分けた方が整理しやすいケースがあります。

3.2.6.9 実務上の注意

3.2.6.9.1 計算だけでなく調整性を見る

圧損計算は必要ですが、計算値だけで良否は決まりません。実際に風量調整ができるか、騒音が許容範囲か、施工誤差を吸収できるかといった実務的視点が重要です。

3.2.6.9.2 余裕のない設計は危険

設計点ぎりぎりで成立する計画は、フィルター汚れや施工誤差、部材ばらつきで簡単に崩れます。ある程度の余裕を見込んだ設計が望まれます。

3.2.6.9.3 圧損計画は初期段階から必要

ダクト径、経路、吹出口位置、機器配置は相互に影響するため、意匠設計後に設備側だけで解決するのは困難です。圧損計画はプラン段階から織り込む必要があります。

3.2.7 プラン

3.2.7.1 南側に個室を配置する問題

南側の部屋では日射取得を行うことが多い。そこが個室になっていると、他の空間に熱の分配が難しくなってくる。循環風量をある程度確保しないと、オーバーヒートしがちである。平面プランと空調計画は密に影響し合っています。

3.2.7.2 吹抜は設けた方が良い

断熱と気密性能の高いパッシブハウスでは吹抜においても上下の温度差は極めて小さい。一方でその断熱性ゆえにエアコンは6畳用の2.4kWタイプ1台でまかなえてしまう。空調された空気を建物全体に行き渡らせるのに吹抜は有効な手段である。

3.3 日射遮蔽

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3.3.1 外付けブラインドのススメ

3.4 湿度

3.4.1 室内干しの洗濯物の水分量の計算

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3.5 施工&納まり

3.5.1 玄関サッシ下端の納まり

PHPP(PHの計算ソフト)ではその検討がスルーされているが、結露を防ぐために重要なポイントである。

3.6 PHPP

3.6.1 検証

3.6.1.1 外付けシェード・ブラインドの効果(HamamatsuPHのケース)

HamamatsuPHにおける外付けシェード・ブラインドの効果を以下の条件で検証しました。

【条件】
• 2階:南面に幅16515のサッシを3本設置。庇(約450mm)+外付けブラインドを併用。
• 1階:南面に幅25622のサッシを2本設置。庇(約1000mm)+外付けシェードを併用。

【比較内容】

外付けシェード・ブラインドを設置した場合と、まったく設置していない場合の年間エネルギー消費量を比較。

【結果】

シェード・ブラインドを設置することで、年間の電気代にして約 7,000円 の削減効果が確認されました。

【補足】
シェードはその色によって日射遮蔽効果が変わります。例えばブラウン色は日射遮蔽効果が高く、オレンジは効果が低くなります。浜松PHでシェードの色をブラウンとオレンジで比較すると2%くらい冷房除湿負荷が変わります。金額に直すと年間で500円くらい。1Fの庇の付いた窓のシェードでさえ無視できない影響があります。

3.6.1.2 OAとEAの断熱厚、長さの効果(HamamatsuPHのケース)

外気から熱交換器までのダクトには OA(外気導入) と EA(排気) があります。
このダクト内の空気は外気に近いため、ダクト自体が外皮として熱損失に影響します。
なお、パッシブハウス基準では OA と EA は3m以上離すか、異なる面に設置することが求められます。

しかし、このOA・EAダクトの長さや断熱厚みが熱交換効率に与える影響は、あまり知られていません。
そこで、HamamatsuPHをベースにシミュレーションを行いました。

【条件】
• OAダクト:長さ3m、断熱厚50mm
• EAダクト:長さ3m、断熱厚50mm
• 熱交換器:SE200RS

【比較内容:】
• OA・EAともにダクト長を2倍に延長
• 断熱厚を50mm → 25mmに減少

【結果】
• 暖房需要:6.4%増加
• 冷房・除湿需要:ほぼ変化なし
• 電気代換算:年間約1,000円の増加
• 有効熱交換効率:約8%低下

この結果から、OA・EAダクトの長さや断熱仕様は熱交換効率に無視できない影響を与えることが分かります。設計段階でダクトルートや断熱仕様を適切に検討することで、暖房負荷やランニングコストを抑えられます。

3.6.1.3 換気風量の効果(HamamatsuPHのケース)

近年、ダクト式換気を採用した住宅では、竣工時に風量測定を行うことが一般的になっています。パッシブハウスにおいても、設計値に対して誤差10%以内での風量測定が求められます。

HamamatsuPHでも風量測定を実施した結果、平均換気風量は92 m³/hでした。
これは24時間換気としてはやや少なめですが、パッシブハウスの基準である 0.3回/h を満たしています。

【風量設定の考え方】

換気風量の設定指標としては、
• 24時間換気基準(0.5回/h)
• パッシブハウス基準(0.3回/h)

などが用いられますが、CO₂濃度を基準に考える方法も有効です。
目安としては 30 m³/h × 人数。
5人家族の場合は 150 m³/h が適切な風量となります。

シミュレーション比較

条件
• 平均換気風量:92 m³/h

比較内容
• 換気風量を 92 → 150 m³/h に変更

結果
• 暖房需要:17%増加
• 冷房・除湿需要:ほぼ変化なし
• 電気代換算:14,612円 → 17,086円(年間約2,500円の増加)
• 有効熱交換効率:約1.8%低下

考察

換気風量を増やすと、室内外の空気交換が増える分、暖房需要が増大します。冷房・除湿への影響は小さいものの、ランニングコストは年間約2,500円上昇します。
必要換気量とエネルギー消費のバランスを考え、過剰換気とならない風量設定を心がけることが重要です。

3.7 iApp

自社開発ツール

3.7.1 U値計算

部位別詳細の断面表現とU値計算、PDF出力が可能です。 こちら

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3.7.2 U値計算Quick

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3.7.3 その空気いくら?

4 構造

4.1 2次部材

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4.1.1 軒の出

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4.1.2 外断熱とタイル貼り

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4.2 水平構面

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4.3 鉛直構面

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4.4 耐力壁線

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4.5 基礎

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4.6 フレーミング

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4.7 基準法と許容応力度計算

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4.8 ウォールスタット

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4.9 屋根葺き材

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