「劣化の低減」に付いて説明したいと思います。
けっこう緩い基準で、まともな工務店さんなら普通にやっていることです。ただ、長期優良住宅に認定されるためには、これらの項目について基準をクリアしている旨を第三者に図面等で説明する必要があります。
注:以下の項目は私たちがよく用いる方法に絞ってまとめていますので、これ以外の基準もありますからご注意下さい。
イ 外壁の軸組等の防腐防蟻の基準
外壁に通気層を設け、地面から1mの高さまで軸組・下地等に薬剤処理を行う。
ロ 土台の防腐防蟻の基準
土台水切を設け、土台にヒノキ等を用いる。(K3の薬剤処理も可)
ハ 浴室・脱衣室の防水の基準
ユニットバス(JISA4416)を用い、脱衣室の壁床の下地には耐水石膏ボードや耐水合板等を用いる。
ニ 地盤の防蟻の基準
ベタ基礎とする。
ホ 基礎の高さの基準
地面からの基礎の立上りを400mm以上とする。
ヘ 床下の防湿・換気の基準
基礎断熱工法とする。
ト 小屋裏の換気の基準
屋根断熱とする。
チ 構造部材等の基準
建築基準法を充たすこと。(まともな材料を使い、防腐措置を行う旨が記されています。上記内容と重複しています。)
ちなみに劣化対策等級は等級3まであり、等級3では構造躯体が75年以上持つ程度の対策とされています。
この内容だと、基礎コンクリートの劣化対策についてまったく触れられていません。コンクリートの耐久性を75年以上にしようと思うと、鉄筋のカブリ厚やコンクリート強度に気を配る必要があるのですが、そこに触れられていないのは謎です。