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基礎は温熱計画のチューニングポイント

  • 5月7日
  • 読了時間: 1分

施工中の小規模な増築現場で、工務店さんが断熱を入れ忘れるという事態がありました。


当初は断熱補強を行えば、ほぼ同等の性能が確保できると考えていましたが、念のため熱橋解析を実施したところ、何もしなければ約20%の性能低下、断熱補強を行っても約7%の性能低下が見られるという結果となりました。



この結果を単純に「断熱性能が低下した」と捉えることもできますが、実はスラブ下の断熱については、厚みを抑えることで冷房負荷の軽減につながる場合があります。特に6地域においては、年間の冷暖房負荷がむしろ低下する可能性があるのです。


もちろん、すべての住宅でこのような傾向が見られるわけではなく、パッシブハウスレベルの高性能住宅でのお話です。


私がパッシブハウスを設計する際には、夏の冷房・除湿負荷がネックになるケースが多くあります。そのため、暖房負荷をあえて少し上げることで冷房・除湿負荷を下げるといった「チューニング」を行うことがあります。スラブ下の断熱は、その調整が最もしやすい部分の一つです。


「断熱は厚ければ厚いほど良い」というわけではない、というお話でした。

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